肩の痛みは様々です。
関節の動きが悪くなる五十肩なども古来から知られていますが
その中には多くの病気が含まれています。
腱板断裂や関節包などの癒着、そして筋肉、腱そのものが短縮したり
いろいろな病態が含まれています。
この中には夜間の痛みで睡眠までも障害するものもあります。
しかしこれもいろいろな原因があるのです。
棘下筋、小円筋などの圧迫による疼痛、棘上筋、小胸筋などの
滑走障害による肩の伸展(後ろに伸ばせなくなる状態)もその一つでしょう。
そして今回ご紹介する上腕二頭筋腱の障害もその一つです。
肩の前方やや内側にある腱です。触ると痛みがある方も見えます。
また手を前方に伸ばして物を持つと痛みが出ることがあります。
超音波で見る上腕二頭筋腱です。腱の周りには水腫が見えます。
炎症の有無をカラードプラーで確認します。
腱の周囲に著明な血流増加を認めました。
疼痛も高度で、夜間の睡眠障害も併発しています。
しかしやや外側の腱板には特に問題ありません。
やはり上腕二頭筋腱が痛みの原因と思われました。
このような場合、強い痛みに対してはエコーガイド下注射が
威力を発揮します。
注射には腱を傷めないように可及的に腱を避けて注射することが大事です。
そして引き続き適切なリハビリが重要となります。
悩ましい肩の夜間痛もこのような治療で改善することもあります。
少しでも早く改善したい症状の一つです。お困りの方はご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。