腹痛にはいろいろな病気があることはよく知られています。
消化管、腹腔臓器、血管などの原因がわからない非特異的な
腹痛(非特異的腰痛と表現が似ています)のうち30%が腹壁由来
そしてそのうちの20%が今回紹介する腹壁神経障害とされています。
肋間神経の枝が原因と言われています。
前皮神経障害(ACNES)として知られています。
痛みはこのあたりに多いとされています。
内腹斜筋と腹横筋の間を走る神経が腹直筋を貫いています。
症状としては局所に強い圧痛があり腹筋に力を入れると
痛みが増強します。(カーネット兆候)
圧痛部位をエコーで見ても実は原因は写りません。
神経は細いので画像ではわからないのです。
しかし腹直筋の深層は腹膜が近く容易に注射できません。
そこでいつものようにエコーガイド下に腹直筋筋膜下に局所麻酔剤を
注射します。
腹直筋鞘への数回の局所麻酔ブロックにて改善しない場合は手術も
選択肢の一つとなります。
今回は幸いブロックにてかなり改善が見られました。
腹腔臓器由来の疼痛、場合により心筋虚血や大動脈病変もしっかり
除外した後上記の所見が認められればエコー下に安全に施行できる
腹直筋ブロックを考えてはいかがでしょうか?
腹直筋鞘ブロック後のエコー画像です
腹直筋周囲をきれいにリリースすることが大事なようです。
最後までお読みいただきありがとうございました。