エコノミー症候群は新潟地震の際車中泊などで過ごされた
方に頻発し有名になりました。
状態としては深筋膜下(深い筋肉内)の静脈の血栓により
静脈還流障害が起こった状態です。特に下肢に頻発します。
下肢に発生すると約3%の方が肺に血栓塞栓を起こすと
言われています。その中には致死的な状態になることもあり
その診断は重要です。
症状はふくらはぎのむくみ、疼痛、違和感などが多いですが
末梢型の場合むくみがはっきりしないこともあります。
診断には問診(長期臥床、悪性腫瘍、糖尿病、骨折など)と
身体所見が重要ですが鑑別診断にベーカー嚢腫、肉離れ
軟部腫瘍など整形外科的疾患も多くエコー検査が
とても有用です。
実際の患者さんのエコー動画です。
中央の黒い血管(ヒラメ静脈)は圧迫してもつぶれません。
Dダイマー高値でした。
次の方も同じように静脈がつぶれませんそして中央の血管
拡張部には血栓も見られます。
ここにカラードップラーを乗せました
もやもやした血流が圧迫によって逆流しているのが
観察されました。
短軸での観察
圧迫をしてもヒラメ静脈は縮小しません
血管拡張、血栓、などが観察される場合当院ではDダイマーを
院内にて測定させていただき診断の補助にさせて
いただいております。
これらの所見が認められた時は患者様、家族に状態、
危険性をご説明し進展状態、併存合併症の検索のため
基幹病院にご紹介させて頂きます。
重篤な肺血栓塞栓症、慢性期の静脈不全の予防のためにも
少々お時間もかかりますがよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。