江戸時代から続く病名五十肩は今でも一般的に使用されております
要するに50歳前後に起こる肩の痛み、運動制限を主体とする疾患を
まとめて一つの病名にしているわけです。しかし現在はレントゲン
CT MRI エコーなど様々な検査機器がありもっと詳しく細分化
されています。
変形性関節症、石灰腱炎、腱板断裂などが鑑別に上がります。
そしてやはり最も多いのが癒着性関節包炎、凍結肩と言われれるものです。
サイレントマニピュレーションが治療の大きな軸となってきました。
確かに運動制限の強い方は早く関節を動かせるような治療が適切です。
しかしそこまででもないが痛みが続いているという方に関節腔内注射が
結構有効なことがあります。癒着しかなり小さくなった関節腔を比較的多めの
薬液を注入し関節腔拡大を目的にした注射ですので生理食塩水 麻酔薬
そして少量のホルモン剤を適切に注入します。
注入動画です
注入後の関節腔の拡大
関節腔を拡張させるため動かしやすくなるという注射ですので
かなりの量を注入します。
ただし注入しているときは痛みはあまりないようです。
効果は人それぞれですがマニピュレーションほどの効果はありません。
効果が少なく
まだ痛い方にはやはりマニピュレーションをお勧めします。
意外なほど著効する方もいらっしゃいます。数分で終わる注射ですので
痛みに困っている方は試してみるのもいいと思います。
英語ではjoint distension や hydrodilatation などと言われます。
腱板の完全断裂が注射によって明瞭に確認できることもあり
診断としての活用も考えられます。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。