腰痛 下肢痛 そして下肢のしびれなどの症状にお悩みの方は非常に多いです。
その中で有名な疾患として腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症という疾患があります。
他にも殿部坐骨神経障害や仙腸関節障害その他炎症疾患腫瘍などもあり似通った症状のこともあり注意が必要ですね。
本日は重症とまで言えない椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対するエコー下腰椎硬膜外ブロックをご案内します。
まず麻痺症状の強い方や歩行距離が極めて短い方は手術適応となることもあり、逆に軽ければ理学療法やセルフリハビリ
生活習慣の改善で対応できることも多いですね。そしてこの中間の方手術は困難だったり手術するほどでもない方や
理学療法で十分な効果の無い方は本日紹介する硬膜外ブロックを施行することもままあります。硬膜外ブロックには
先回ご紹介した仙骨裂孔よりの硬膜外ブロックもありますがやはり病変部に近い棘突起間よりの硬膜外ブロックのほうが
切れ味がいいことがあります。
下図は椎間板ヘルニアのMRI画像です、すべり症もありますが硬膜管が圧迫され狭くなっているのがわかります
背部よりみた脊椎解剖です
これをやや斜め横から覗き込むように超音波プローブを当てますと下図のように硬膜管が見えてきます。
この方はかなりよく観察できています。
そしてまずエコーで確認 髄液の流れが見えることも多いです。
硬膜外腔に注射します。エコーで確認しながらゆっくり針を進めます。
硬膜の直上に置いた針からお薬を注入すると硬膜管が腹側に押し下げられるのが確認できました。
これで終了です。注射後は5分~10分安静にしていただき状態を確認します。
当院で使用する薬剤は1%リドカイン2ml 生理食塩水5~6mlとしています。ステロイドを使用される病院も
ございますが当院では多少効果が劣っても感染のリスクは極力下げたいのでステロイドは使っていません。
有効な方はその日のうちに改善効果が感じられるようです。
ただし万能な治療法でもありません。まずは主義的に簡単な仙骨硬膜外ブロックを行ったりしても
無効な場合確かめてみるのもいいと思います。
腰下肢痛でお困りの方はお気軽にご相談してください。
尚抗凝固剤服用中の方、糖尿病のコントロール不良の方、そして体格上硬膜管がエコーで描出しにくい方
は申し訳ありませんがリスク回避のため施行しておりません。
最後までお読みくださりましてありがとうございました。
エコー下腰椎神経根ブロックもまたの機会にご報告したいと思っております。