腰痛や臀部痛そして下肢の痛みは非常に多くの方が経験します。
その中であまり有名ではないものの最近TVで取り上げられた
こともあり俄然注目を集めているのが仙腸関節の痛みです。
なかなか治らない腰痛、診断がつかない腰痛には一定の割合で
存在します。そしてこれがかなり多いのです。
まず仙腸関節の場所
骨盤を後ろから見た骨格です。
どこが痛いか
腰から下肢にかけていろいろな所が痛くなるようです。
注目すべきは股関節の前方やまるでヘルニアの神経性疼痛の場所
まで含まれています。しかし臀部のあたりの痛みは非常に多いです。
座位や仰臥位で寝ていても疼痛が発生することもあります。
仰臥位での痛みは一部の脊柱管狭窄症でも認められますので
慎重に鑑別します。そして重要なことはMRIなどの画像だけでは
腰痛の診断は困難なこともあるということです。
村上先生も述べておられますが画像に騙されてはいけません。
上の写真はいかにも痛そうなヘルニアのようです。本当でしょうか?
神経ブロックを行い刺入時に疼痛の再現、麻酔薬にて疼痛の改善が
得られなければ腰痛の原因はヘルニアではないかもしれません。
仮にこの方の痛みが仙腸関節由来ならば手術をしても治りません。
ではどのようにして仙腸関節性疼痛を診断するのでしょうか?
色々なテストが提唱されています。まず患者様自身どこが痛いか
ピンポイントでさせる方もいます。そして村上先生の提唱する
Newtonテスト変法や疼痛誘発動作での確認。
最終的には仙腸関節後方靭帯へのブロックにて確定診断するのです。
次に診断、治療を兼ねる注射療法をお話しします。
エコーでは少しわかりにくいですが下図のような画像が得られます。
ただ皆さん少しずつ形が違います。
関節部が描出されれば靭帯の下に注射します。
70%以上疼痛が軽快すれば診断の大きな根拠になります。
効果発現は10分から30分、まれに翌日にならないとわからない方も
いらっしゃいます。
注射以外の治療法もあります。AKA博田法をはじめとする様々な理学療法、
運動療法、体幹トレーニング、骨盤ベルトなど種々の方法を組み合わせ
疼痛の改善を目指すのです。
当院にては、お一人お一人に適切な治療法を提案してまいります。
治らない腰痛でお困りの方、仙腸関節性疼痛かもしれません。
お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。