愛知県岡崎市 整形外科,リウマチ科,エコーガイド下筋膜リリース,筋膜性疼痛症候群(MPS), トリガーポイント

 愛知県岡崎市 整形外科,リウマチ科,エコーガイド下筋膜リリース ませぎ整形外科

坐骨神経痛における薬、筋膜リリース - 未分類

腰痛や膝痛など痛みに悩む人が大勢います。

この中には手術は嫌だ!注射も嫌だ!病院に行くなんて面倒だ!

で実際の所、近くの薬局で健康食品を毎日真面目に服用してる人が

大勢います。それって効果あるの?

面白い比較試験が公表されています。

https://medley.life/news/item/5593af4fe7880cc802efc52c

 

まず膝痛の患者さんに1500㎎のグルコサミン塩酸塩を飲料の

形で24週飲んでもらい偽薬と高機能MRIで軟骨の障害が

改善しているかの比較です。

結果は偽薬とグルコサミンは同じ。効果はなしの判定。

 

次にコンドロイチンはどうか?

これはほんの少しですが効果ありとの判定です。つまり

6か月服用すると100人中53人が2割程度痛みが改善しました。

しかし偽薬でも100人中47人が2割程度痛みが改善しましたので

その効果はほんの少しだと考えられます。

 

次にヒアルロン酸の関節内注射(これは病院で行う注射で健康食品の

ヒアルロン酸とは関係ありません)

膝いた

 

2万人で検討されています。結論は軽度の変形性関節症の方には

機能や痛みに対して改善を認め安全性も確認されました。

ただやはり経口摂取では有効性が確認された信頼できる十分なデータ

は確認できなかったようです。結論はヒアルロン酸関節内注射は

軽症の方のみ効果ありとの報告です。

しかし疑問点もあります。膝が痛い人の一部は関節の中に原因があり

一部の人は関節外の神経、筋肉、筋膜、靭帯由来の疼痛であることは

常識となりつつあります。特に痛みのひどい人は関節外の要因も大きく

単純に関節内にヒアルロン酸注射しても十分な効果がありません。

関節外組織の改善を促すためストレッチや筋力強化、体重コントロール

が特に有効です。そしてここに筋膜リリースを加えることにより短期間で

改善する事もあります。これで改善しないときはやはり手術的な治療も

必要となることもあります。

特に思うように痛みが取れなく、レントゲン上の変形がひどくない方は

一度は筋膜リリースを試してみたほうがいいと思います。

しっかりと診察を行いどこに痛みがあるか丁寧な触診が必要です。

 

次にテレビコマーシャルでも有名なプレガバリン(リ〇カ)はどうでしょう?

チクチクする痛み、ジンジンする痛み(神経障害性疼痛)に効く

とされる薬です。病院で処方されます。

神経痛として典型的な坐骨神経痛の患者さんで検討しました。

Screen Shot 5-7-2017 8.48.47 PM

オーストラリアの研究です。

一日150㎎から開始し600㎎までの投与を8週間続けました。

開始用量は日本より多いです。そして8週、52周で偽薬と比較しました。

結論は効果なし。全国的に驚異的に処方される患者さんが多くなった薬ですが

神経痛に無効との判定が出てしまいました。これはいかに?

当院でも時々神経障害性疼痛の患者さんにお出ししますが効果がある人、

無い人まちまちです。では痛み止めとして有名なロキソプロフェン、

ジクロフェナクなどはどうでしょうか?実はこれに対しても坐骨神経痛には

効果なしとのデータがあります。薬は効かないかあるいはあっても少しだけ

かもしれません。

手術以外ではストレッチ、運動療法、神経ブロック、筋膜リリースが有効

である可能性はあります。

 

最近殿部由来の坐骨神経痛に筋膜リリースが効果的との報告があります。

手術しかないと思っている人も一度は筋膜リリースで確認したほうが

良いかもしれません。

少しご紹介します。

坐骨神経は腰椎部分のみならず大腰筋、梨状筋、坐骨部、大腿後面にて

障害を発生しうるのです。もちろんヘルニアだけが原因ではありません。

殿部も発痛源として好発部位です。

梨状筋解剖

そして梨状筋部の坐骨神経をエコーで見ますと下図の様に見えます。

梨状筋エコー画像

問題が梨状筋/坐骨神経にある時はここをリリースするのです。

当院での実例です。

 

従来より行われている硬膜外ブロックや神経根ブロックと同様に

殿部筋膜リリースも診断、治療に有効であると思っております。

今や多くの人の坐骨神経がエコーで確認できる時代となってきました。

(例外はあります)これを使わない手はないでしょう。

次はもう少し遠位で坐骨の上に強い圧痛がある方です。

この部分では大殿筋と内閉鎖筋の筋間に坐骨神経があります。

ここをリリースすると坐骨神経リリースになるはずです。

大殿筋リリース1

 

まだまだ発展途上の技術ですがMPS会長の木村先生を中心に

かなりのスピードで広がりつつあります。

そして重要な技術、知識のご教授に深謝したいと思います。

 

坐骨神経痛には完璧な治療法はありませんが一つ引き出しが増えました。

今後も新しい技術に挑戦していくつもりです。よろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました。