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院長のブログ(2018年06月)

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2018年06月05日(火)

肉離れは若年から中年までスポーツによって頻繁に起こる筋、筋膜、腱の損傷です。

しかし患者さんはいつ治るか?そして競技の復帰目安は?不安でいっぱいです。

我々医療者は適切なアドバイスを症状のみならず、画像所見も十分考慮して

説明しなければなりません。

日本整形外科学会の重症度鑑別法は以下の通り

IMG_0868

一つの目安にはなりますがこれだけでは不十分です。

筋力の回復はもちろん再発予防も非常に重要です。

その他の分類では(奥野のMRIによるハムストリング評価)

1度:出血所見のみ 出血型

2度:筋腱移行部損傷型(特に筋膜損傷)

3度:筋腱移行部損傷型(断裂含む)

ハムストリング以外にももちろん応用できます。

スポーツ復帰目安は

1度:1~2週間

2度:5~6週間

3度:3か月以上

以下は大腿直筋3度(断裂)症例です。

大腿直筋断裂1

健側との比較です。

大腿直筋2

著名に腫大した筋肉が明瞭にわかります。

筋肉の断裂部もわかりますね。当然3度であり手術も考慮されます。

しかし1度と2度では鑑別が難しいこともままあります。

次はふくらはぎ(腓腹筋)動画

筋肉の間に黒く映るのが出血、出血のみならず筋肉内にも正常の羽状構造が乱れており

肉離れ2度と判定できます。短期に復帰しますと再発が多いと言われています。

2度と思われる場合時期を見計らってMRI撮影も重要です。

次は1度と思われるふくらはぎ(腓腹筋)の肉離れです。

出血はありますが筋肉の羽状構造は乱れていません。

ただ出血が多いので1度としてはやや時間をかけて復帰を目指すべきでしょう。

エコーだけでわかりにくいこともままあり当院では適切な時期にMRIをお勧めしています。

このように肉離れは治療期間が大きく異なり初期より確かな診断そして復帰スケジュールの

策定を状況を見ながら判断していくことが重要です。

失敗の原因は(再発や痛みの遷延)1度と思っていたが2度だったとか1度でも出血が多かった

などが多いようです。超音波診断は欠かせません。

しかし超音波診断にも落とし穴があります。よく見えるエコー機械、プローブの選択(人によって

部位によって)が重要です。

当院では可能な限り諸検査のもと適切な治療を提案してまいります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

最近の高齢化社会に伴って肩の骨折特に表題の上腕骨近位端骨折は増加傾向です。

他にも脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折、前腕骨遠位端骨折は頻繁に遭遇します。

上腕骨近位部骨折は手術や保存療法など適切な治療法が求められます。

しかし目的は同じです。骨折前と同じような機能の獲得、合併症を起こさない。

そして骨も癒合するという至極当たり前ですがなかなか難しいゴールなのです。

当院では以前より転位の少ない骨折の方には保存療法をお勧めしています。

ずいぶん前ですが石黒先生が早期運動療法として下垂位での振り子運動を報告され

大変驚かされたものです。そして私も本棚をひっくり返して探してみたら

2010年版雑誌に石黒先生の投稿記事がありました。

適応として簡単に述べますとあまりひどくない多くの方、立位が保持でき、前屈姿勢も

可能そして最も重要な事はこの方法を理解し認知機能に問題ない方ということを

述べておられます。

当院での最近の患者さんのご紹介です。80歳代女性、認知機能正常で明るい方です。

肩骨折レントゲン1

骨折は転位も少なく保存療法の適応です。

さっそく石黒式振り子運動を説明し腫れの強い1週間は固定そして

それ以降患者さんの不安を取り除くためまず病院で振り子運動を開始しました

不安が1週間もしないで払拭できましたので前屈位での振り子運動を積極的に

行ってもらいました。

4週間後のレントゲンで骨癒合を認めました。

肩骨折レントゲン2

この時から自動運動を開始。(通常はもう少しかかります)

肩骨折挙上1

肩骨折伸展1

4週間でここまで動きます。痛みもほとんどありません。

この方は特に優秀ですが肩を動かすのに重要な腱板もエコーで覗いてみました。

肩腱板1

2肩腱板

80歳代にしてはとても優秀な腱板で問題ありません。

肩の機能回復には早期運動による骨の癒合、癒着の防止が重要であるとともに

もう一つ腱板機能も深く関係しているのでしょう。

もう少し肩甲骨回りも含めた運動療法を行えばもっと良くなるでしょう。

この時点でとても喜んでいただいたのが何よりでした。

もちろん手術の必要な方もたくさん見えます。

そして手術しなくても満足できる生活を再獲得できる方も大勢いらっしゃいます。

お一人ずつ状態をよく考え治療方法を選択するのはとても大事です。

最後までお読みいただきありがとうございました。