足関節捻挫は非常に多く特に外側は頻繁にみられる外傷です。
しかし内側靭帯の損傷も単独であったりまた外側捻挫の合併
であったり時に見られる外傷です。放置すると後遺症が残り
疼痛が遷延することも多く初診時正確な診断が必要です。
今回は私が普段エコーで観察する部位を骨折以外の点から
紹介します。
まず主な内側の靭帯です
後脛骨筋深層やや下には見逃されやすくまた観察しにくい
スプリント靭帯があります
やや前方にはリスフラン靭帯があり後遺症の観点から十分な観察
が必要です。内側楔状骨/第2中足骨靭帯がリスフラン靭帯と
言われれています。
まず三角靭帯前方部の脛舟部分です。
内側やや後方から見た三角靭帯です。この中で脛距靭帯が深層
にあり断裂すると不安定性が高度となり重要な部分です。
後脛骨筋深層 底側にあるスプリング靭帯は観察しにくい部分ですが
断裂による内側縦アーチの不全をもたらし放置にて偏平足や外反母趾
に進行することも考えられます。
リスフラン靭帯も見逃されやすい部分ですね。後遺症として
不安定性を残したりします。
時には後脛骨筋損傷もあり思いのほか痛みが強いことがあります。
舟状骨下面を通り脛骨内果を通過します。
正常例のエコー画像です。損傷した場合は腱が腫大しており
わかりやすいです。
リスフラン靭帯は遠位の中足骨レベルより近位にプローべ移動で
観察できますが、不安定性や圧痛は明瞭なことも多いです。
最近はポータブルエコーでも性能向上が著しく重要な靭帯は
エコー描出に慣れた医師により3分程度で把握できます。
レントゲン CT MRI も大事ですがエコー無しでは
十分な診断ができないというのは最近の医療進化と思います
一般の方にわかりにくい内容ですが靭帯が切れているという
表現からどの靭帯が損傷しているのかそして不安定性はどうか
後遺症の観点から固定期間や場合により手術が必要なのか
正確な診断が可能になってきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。