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院長のブログ(2020年02月)

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膝関節の痛みは多くの人が悩まされています。多くの病院でお薬、運動療法

体重コントロールなどが標準治療となっていますね。痛みが強い人には装具を

処方する医師もいらっしゃいます。そしてかなり前より膝関節内へのヒアルロン酸

注射も数多く行われています。

1クール5回とする病院が多いようです。

しかし効果のある人もいれば全く無効な人もいますね。

これはどういう理由でしょうか?

いろいろな理由づけもなされています。

1.年々減少するヒアルロン酸を外部から補う。

2.軟骨の滑りをよくして摩耗を防ぐ

3.関節のクッションの役割

しかし5回注射するだけで長らくヒアルロン酸が補充できるのでしょうか?

摩耗の進行を防ぐとすぐに痛みが取れるのでしょうか?

50kg前後の体重を支える膝関節です。ちょっとヒアルロン酸を入れただけで

クッションがよくなるのでしょうか?

個人的な意見としてのお話ですが私はいずれも信じていません。

しかし現実的には改善する方もいらっしゃいます。

どういう方に効果があるのか検討してみました。まず膝痛の方で内側に

圧痛がある方は多いです。それは関節内ではなく半月板近くの靭帯などに発痛源があり

直接この部位に注射するとよくなることもわかっています。ませぎ整形外科ホームページの

トップ画面膝内側の痛みでご紹介しました。

ところが関節内に注射すると注入液が半月板の隙間からしみだして靭帯の中に広範囲に

薬液が広がる方もいらっしゃいます。

実はこのような人は関節内注射が有効であることが多く、中には注射直後より劇的に

改善する方も見えます。逆に半月板の隙間が少なく注入液がしみださない人は効果が

少ないように思います。

膝関節外側から関節内に注射して内側からエコーで観察しました。

有効な方の膝内側靭帯注射前のエコー画像

そして注射後

靭帯周辺に注入液が広がっています。実はここが痛みの発生源のことが多いのです。

ハイドロリリースが上手くいった時もこのようになります。

次に効果のなさそうな方のエコー画像です。

微小な半月板水平断裂はありますが半月板、靭帯、骨の隙間が密で注入液が染み出すことは

あまり期待できません。

個人的見解ではありますがヒアルロン酸をはじめ関節内注射の有効な方は

注射液が半月板外まで広がった方が多い印象です。

当院では細かい圧痛点の検索、そしてエコー所見も加えて関節内注射の有効性を

事前に検討してから関節内注射を行っています。

まだ完全ではありませんが有効性の確率をなるべく上げるように努力しております。

膝痛でお困りの方はお気軽にご相談ください。

ここまで長文に付き合っていただいてありがとうございました。

下肢の痛みはとても多い症状です、ふくらはぎや大腿部などいろいろあります

この中で本日は大腿部中央や外側の痛みについてお話します。

頻度は比較的多いです。

 

痛み方は色々です。歩く時に痛い。じっとしていてもずきずきする。

時には激しい痛みが持続することもあります。

原因は大腿神経、外側大腿皮神経などの末梢神経由来、たまに腰椎由来のこともあります

これらの鑑別のため腰椎の形状、骨格、柔軟性そして狭窄症やヘルニアも一応考えますが

頻度は低いです。

次に末梢神経(大腿神経や外側大腿皮神経)の特徴的な圧痛ポイントを調べます。

これらがすべて陰性の場合頻度の最も多い筋膜性疼痛を強く疑います。

腸脛靭帯、外側広筋、大腿直筋などの関与が多いですね。

痛みの強い人のエコー画像を見てみます

この方は厚い筋膜が観察されました。

この痛みは自然に治まることもありますが、鎮痛剤やマッサージは無効なことも多い

強い痛みにはハイドロリリースが効果的と考えています。

 

ズキズキっとする痛みも古来から言われているような神経痛、神経障害性疼痛では

ないことがとても多い。そしてファシアの異常が本質かもしれません。

お困りの方も大勢いらっしゃると思われます。

当院にて診断、治療をご希望される方はお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。