女性に多いとされる手のしびれの原因に手根管症候群という
病気があります。
とても多い病気ですが手のしびれをきたす病気には頚椎症
胸郭出口症候群その他にも多くの病気があり注意深い観察
が必要です。
初期には示指、中指のしびれそして徐々に親指にも広がり
末期では親指の付け根の筋肉が萎縮してしまいます。
しびれは朝方強い方も多く、また痛みのため睡眠が障害される
こともあります。
原因はホルモンバランスの異常などから滑膜炎型の腱鞘の
むくみが原因とされるものや、屈筋支帯(横手根靭帯)の
肥厚が原因で手根管内の神経が強く圧迫されるタイプなどが
あります。
そしてエコーでこの部位を見てみます。
正常画像です。
滑膜炎タイプではない手根管症候群の方のエコー画像
圧迫された神経を圧迫する屈筋支帯からリリースします。
これは症状を改善する一つの方法ですが、筋肉が萎縮したり
重症の方は基幹病院での手術をお勧めしています。
また滑膜炎タイプの方には別の方法をご提案することも
あります。とにかく手根管症候群は重要な鑑別診断、そして
タイプ把握が必要です。エコーや場合により神経伝達速度、
たまにはMRIも必要となります。
エコーの普及は診断方法、治療方法においても新しい
提案ができるることもあります。
現在はまだ長期成績の報告はありませんが
手術するには至らない方には一つの方法です。
しびれや痛みのひどい方にご提案します。
最後までお読みいただきありがとうございました。