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院長のブログ(2017年05月)

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神経麻痺には非常に多くの疾患や外傷、不良姿勢、筋肉靭帯などの圧迫などがあります。

この中で今回は橈骨神経麻痺の興味深いタイプについてご報告します。

まずは腫瘍随伴症候群によるもの、シェーグレン症候群などによるNLDSFN

と言われるもの、アミロイドーシスなどは除きます。

麻痺は神経障害部位の高さにより異なります。

上腕部ではドロップハンド

IMG_0550

肘のあたりではドロップフィンガー(後骨間神経麻痺と呼ばれます)

IMG_0551

今回は上腕骨骨折後の麻痺の方です。

麻痺形態は後骨間神経麻痺、知覚障害はほとんどなしですがはっきりした

ドロップフィンガーです。不思議ですね。

上腕骨部分での麻痺ではドロップハンドとなるはずです。

そして肘関節やや遠位に非常に強い圧痛を認めました。

こういう時はエコーで障害部位を確認すべきです。

橈骨神経解剖

この部位を見てみますと

橈骨神経腫大変更

]腫大橈骨神経長軸ドプラー

低エコーで2倍以上に腫大した橈骨神経が観察されました。

ドプラーを入れましたが血管ではありませんので血流なしです。

 

黒い塊が移動してますがこれが橈骨神経です。強い圧痛もあり炎症も十分考えられます。

液性剥離をエコーガイド下に行いました。

 

強い圧痛は早期に改善しましたが麻痺は2か月後少しだけ改善傾向(総指伸筋の

筋力改善)のみです。しかしエコーでは

 

黒い塊(橈骨神経)は明らかに腫大が改善しています。

わずかな臨床症状の改善とエコーでのはっきりした改善から十分回復する可能性が

高いと思われました。文献的には3か月経過した後骨間神経の強い麻痺は手術が

必要とされています。

そして発症から三か月後、運動麻痺の改善は著しく臨床症状は心配ない状態となりました。

三か月後のエコー画像です。

 

見事に正常になりました。

このように末梢神経はエコーにて観察が十分できるということ、そして障害部位の

推定や改善経過も観察できるかもしれません。障害神経をエコーで観察すると

様々な情報が得られることがあります。

末梢神経麻痺には非常に多くの原因があります。

このようなケースは例外的かもしれませんが

しっかりした病歴、身体所見、血液検査、CT,MRI、電気生理学的検査などが

正確な診断に必要です。それに加えてエコー検査を追加することにより

より一層具体的な治療方針を立てることができる可能性が出てきました。

総合力で診断、治療する分野です。診断に時間もかかることもありますが

よろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

肩周辺、背部、上肢の痛み、しびれを発生する原因は多数あります。

典型的には頸椎椎間板ヘルニアが有名です。障害される神経根に

対応したしびれ範囲、疼痛範囲があり上肢下垂にて症状悪化を示す。

また当該神経根の頚部での圧痛、放散痛がみられるという特徴が

あります。

これに非常によく似た症状を引き起こす筋肉に棘下筋があります。

肩腱板を構成する筋肉の一つです。

下図に示す筋肉です。

IMG_0544

黒丸がトリガーポイント、赤い部分が放散痛です。

痛みだけではなくしびれも出ることがあります。

IMG_0543

 

頸椎椎間板ヘルニアとよく似ていますね。

しかし動作痛が少し違います。IMG_0540

このような姿勢をとると痛みが出ます。上腕二頭筋腱鞘炎でも

同様な痛みが出ますがトリガーポイントが異なります。

また棘下筋性筋膜障害では寝返り痛、患部を下にして寝ると痛みが発生

することも診断のヒントになります。

そして最終的な診断は棘下筋のエコー下筋膜リリースで症状改善を

確認することです。

ちなみに頚椎椎間板ヘルニアもエコー下神経根ブロックが診断の一助となり、

これもエコーの普及とともに安全性と確実性が高まっているといわれます。

トリガーポイント、関連痛に関しては多くの研究がなされており

予想外の疼痛部位が発生することもまれではありません。

治りにくい痛みは多いです。鎮痛剤の服用だけですませないで

動作痛、トリガーポイントの検索から発痛源が推定される場合もあり

以降の運動療法の方針決定にも重要なことですのでいろいろな

治療法の一つとして考えてもらえばいいと思います。

[20170522]棘下筋12

 

 

三角筋/棘下筋間のみならず棘下筋深層もリリースしたほうがいいかもしれません。

 

 

ただし棘下筋筋膜性疼痛は難治性のこともあり筋膜リリースのみではなく

対抗筋の肩甲下筋も含めた筋膜リリース、運動療法が特に重要と考えています。

何よりも痛みが起こらないように適切な運動、そして痛みが発生したら

我慢せず素早い診断、治療が重要です。

ヘルニアのような上肢のしびれや疼痛がこのような筋膜性疼痛(MPS)

かもしれません。治らない痛みもあきらめないでエコー下筋膜リリースは

比較的容易な診断、治療法ですので試されてはどうでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

頭痛と言いますと脳腫瘍、クモ膜下出血などの重篤な疾患もあります。

しかしこれ以外にも頻繁に遭遇する頭痛として片頭痛、緊張性頭痛が

有名です。

緊張性頭痛は鉢巻きで占められるような痛み、温めるとよくなり

日ごろから肩こりの多い方に起こりやすい頭痛。

片頭痛は主に片側性でずきずきする痛み、温めると悪化しまた頭痛前に

光が見えたりすることもあり、嘔気のある人もいます。

そして今日ご紹介する第3の頭痛ともいわれ、報告する医師の中には

片頭痛よりはるかに多いといわれている後頭神経痛です。

今日はその症状、治療についてご説明します。

最近スマホやゲームが盛んに使われます。みなさん下を向いて

首を曲げてます。この姿勢が問題です。

首から後頭部までずきずきした痛みや、ときに電気が走るような痛み

時には目の奥まで痛みが続くこともあります。

そして後頭部髪の生え際に強い圧痛点があることが多いです。

 

後頭神経

このあたりに圧痛があります。エコーではこの部分は見にくい所です。

下図のように見えるところが必ずあります。

後頭神経エコー

治療は姿勢の改善、ストレスの低減、肩から首にかけてのマッサージ

そして内服薬(カルバマゼピンなど)が一般的です。

しかし中には痛みのため日常生活が制限されたり、目の奥まで痛くなる

後頭神経三叉神経症候群と呼ばれる症状に悩まされる方も見えます。

このようなときには神経ブロックが有効と言われております。

当院での実例です。頭部MRIで異常なし、眼痛のため眼科受診しても

異常なしです。後頭神経三叉神経症候群と思われました。

エコーガイド下後頭神経ブロックを施行しました。

直後に眼痛が消失したとのことです。

 

頭部、頚椎精査、眼科的検査にて異状なく後頭神経痛が強く疑われる

場合はこのようなブロック注射による治療もあります。

痛みのない生活は快適です。痛まないようにすることが一番、

そして万一痛くなったら適切な検査そして治療を受け少しでも早く

快適な生活を取り戻しましょう。

微力ながら当院でもご提案させていただきます。