愛知県岡崎市 整形外科,リウマチ科,エコーガイド下筋膜リリース,筋膜性疼痛症候群(MPS), トリガーポイント

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院長のブログ(2017年02月)

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題目の通り慢性的にふくらはぎが痛いと言う方は結構います。

神経、血管、筋肉、骨、関節など原因は様々です。

まずは神経症状があるか?あれば坐骨神経、脛骨神経などの原因を

腰椎レベル、臀部、大腿、膝裏などから考えます。

次に血行障害、特に動脈性のものは高齢、喫煙、糖尿病など

動脈硬化性のものを考え疑わしい場合は当院ではABIを測定器

にて計測します。まれに深部静脈血栓症もありますのでもちろん

エコーは必須です。しかし重大な疾患はないにもかかわらず

ふくらはぎに圧痛がある方もいます。いわゆる筋肉痛でしょうか?

腓腹筋ヒラメ

こんな筋肉が原因の方も現実にはいらっしゃいます。

エコーでは

腓腹筋、ヒラメ筋2変更

二つの筋肉が筋膜で隔離されています。よく肉離れが起きる

場所でもあります。以下リリース動画

 

筋肉痛だと思っていたものが腓腹筋、ヒラメ筋の筋膜痛の方も

います。このリリースで数分で痛みがなくなってしまう人もいます。

色々検査してもわからない人、治療に抵抗性の方はこのような治療が

有効なこともあります。もちろん丁寧な触診が決め手となります。

改善が得られたならば再発防止やより一層の改善のためリハビリも

必要です。

ふくらはぎの痛みが坐骨神経痛だと思われがちですが正しい診断が

適切な治療に結びつきます。

ただ色々な疾患を想定して診断しますので少しお時間、日数がかかる

事はご了承ください。

追記

エコー検査が有効でふくらはぎ痛の鑑別に上がる深部静脈血栓症、

大小伏在静脈血栓性静脈炎が重要です。

疑わしいときはまず膝窩静脈の圧迫テスト、そして静脈内の浮遊血栓

などを探します。そして伏在静脈、やヒラメ静脈などを観察する

こともあります。深部静脈血栓症のガイドラインも重要なことが

記載されています。

正常な膝窩静脈横断像です。

膝窩静脈変更

ここで圧迫して撮影すると

膝窩静脈変更圧迫

静脈はつぶれますので見えなくなります。(通常はドプラーは使いません)

細かい観察には長軸を見ることもあります。

拍動している下の血管が動脈、上が静脈です。正常の人は

このように見えます。血栓の有無を観察することができますね。

またDーダイマーは血栓を否定するために有用とされています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

痛風は一般に良く知られた病気です。主に中年以上の男性で

日常的な飲酒の習慣のある方が足の親指あるいは足首の急性の炎症

を起こしとても痛い病気と知られていますね。

これは足の親指のエコー画像です。

 

痛風1

そしてドプラーでは当然炎症を認めます

痛風2

痛風第一変更

痛風第1変更2

レントゲンでは初期には異常所見を認めないことが多く主に

鑑別診断のため行われます。

エコーによる観察は骨病変の早期評価、軟骨表面の尿酸塩結晶の

検出に有用であると痛風ガイドラインに記載されています。

今後データが蓄積され一般的な初診時検査になるのではと思います。

ここで痛風についてよく勘違いされていることを説明します。

痛風なんだから尿酸値は高いはずだと思われがちですが発作中は

尿酸が高くないこともままあります。そして尿酸値は日内変動もあり

複数回測定しないと高尿酸血症がわからないこともあります。

腎臓疾患、甲状腺疾患、腫瘍、薬剤などによる二次性のこともあり

スクリーニング的検査は必要です。

また仮に尿酸値が高くても尿酸降下薬は発作中に服用開始しません。

発作が誘発されたり、ひどくなることがあるからです。

よく質問される食事療法は基本的に他の生活習慣病と同様

カロリーの制限、アルコールの減量、ジュース、果糖の減量

そして十分な水分摂取が基本です。なおコーヒーや乳製品は

尿酸値低下作用があり積極的に摂取してもいいと思います。

もちろん適度な運動も重要です。

薬剤に関しては最近は副作用の少ないものもありますので

お一人お一人に適切な治療を提供いたします。

当院では高尿酸血症、痛風ガイドラインに基づいて診断治療を

行っておりますのでお気軽にご相談ください。

追記

3枚目の画像に示されている関節面二重像(double contour sign)は

とくに有名です。

その他にも尿酸塩が関節内で塊となっている重症例はガイドライン通りの

基準では痛風の根治が難しいとの報告もあります。結晶の沈着や尿酸塩隗の

状態を発作時(痛みのある時)以外にも経時的にエコーで観察し治療方針を

立てることが重要だと考えております。

以下は症例です。

痛風発作は1年以上起きていませんが血清尿酸値は6~6.5とやや高い人

のエコー画像です。

無症状痛風2

 

尿酸のコントロールが不十分のためかdouble contour signが

はっきり認められます。

正常の人の画像は以下です。

20170226001_20170226080815

尿酸塩の結晶などはありません。

十分な尿酸値管理にて尿酸塩結晶の退縮も報告されております。

再発予防のためにも血清尿酸値の管理、またエコー上の結晶退縮を

確認しながらの治療が有用ではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

足首の捻挫も腫れがひどいと心配になります。

そこで多くの患者さんは整形外科に受診されると思います。

しかしレントゲンを撮ってなんともないから大丈夫だよ。

と言われて「はいシップ!」てなことになってる人も多いですね。

不信感

しかしよく診て触ってみると特定の場所がひどく腫れ、痛みも

強いことがままあります。

今回はその一つ踵骨前方突起骨折を説明します。

ここは言われているより頻度が高い印象です。

通常のレントゲンでは

IMG_0462

さっぱりわかりません

しかしエコーで確認後撮影角度を調整して撮影しますと

IMG_0461

少し見えてきます

エコーではどうでしょうか?

踵骨前方 変更2

上図は正常像です。そして骨折の方は下図

踵骨前方 変更1

どうでしょうか?3mmくらいの骨片でも周りに血腫があるため

一目瞭然でわかりますよね。

レントゲンではとても分かりにくい骨折です。

そして血腫をなるべく起こさないように局所の圧迫、挙上、

アイシングが初期治療で大変重要です。局所の圧迫も骨折部を同定して

行うとより良い結果が得られるのではないでしょうか?

まずは捻挫を起こして腫れたらレントゲンだけではなくきめ細かい触診、

エコー検査が必要ですね。

ここだけではなく足首周囲には注意すべき損傷個所も多く、しっかり

診てもらいましょう。捻挫の治療は決して一律ではありません。

 

 

去る2月5日東京でSIGMAXさん主催でエコーフェアー イン 東京

が開催されましたので勉強させていただきました。

股関節前面の痛い方も多いですね。こんな場所が痛いといわれます。

股関節画像3

そして時々下の図のような場所がしびれたり痛かったりもします。

これは有名な外側大腿皮神経障害です。

股関節画像2

これがどんな関係かはっきりしませんでしたが勉強会で講師の一人が

治療すれば同時に改善する事が多いと言っておられました。

人工関節など外科的治療が必要なものもありますがもっと簡単に診断、治療が

できる痛みも多いです。今回ご紹介するものは筋膜リリース、運動療法で

改善するかなり多いものです。

自分でも臨床的に確認できた方もいましたので紹介します。

まず下図は解剖です。

Screen Shot 2-15-2017 3.06.36 PM

 

この部分は神経、血管、筋肉、靭帯が入り組んでいます。

痺れに対して外側大腿皮神経のブロック注射もよく行われます。

しかしこれが厄介なことに神経が薄く小さいためエコーで見つけることが

難しいのです。ところがこの部分で痛みをとるため筋膜リリースを行うと

縫工筋、大腿直筋も緩んで副次的に外側大腿皮神経も機能改善します。

実際股関節前方部痛と大腿外側のしびれを併存されている方に

腸骨筋下リリースを行ってみました。もちろん関節の外、筋膜下への

注射です。(当院では股関節内には原則的に注射しておりません)

股関節2変更

以下動画

https://youtu.be/wWi5hrJf4MY

やはり股関節前方部痛、外側大腿皮神経障害が同時に消失しました。

もちろん引き続き運動療法、理学療法も必要ですがこのように

エコーガイド下注射によって原因が特定できることはその後の

治療に大変重要なことでしょう。

股関節の痛みが気になる方、もものしびれが気になる方、両方ある方一度

ご相談ください。軽度の方は運動療法のみで対応できることも多いです。