関節リウマチは骨破壊を伴う多発性の関節滑膜炎ということは
広く知られていますがもちろん腱鞘滑膜も増生し炎症を起こします。
関節炎に引き続き起こる腱鞘炎の場合は比較的容易に想像できます。
しかし初期症状が腱鞘炎だけの場合はどうでしょうか?
通常の腱鞘炎とどう違うんだろうか?これは個人的な感想です。
まずは以下のエコー画像をご覧ください。
通常の腱鞘炎と比べ腱鞘下の水腫が著名です。普通は腱鞘炎の注射後の
画像だと思われがちですが、これは注射前です。
ドプラーが腱鞘に強くのります。強い炎症の証拠でしょうか?
治療は腱鞘下に少量のステロイドの注射をしました。
注射後は一層水腫が増強していますのでうまく薬剤が
入っていることが確認できました。
血液検査では抗CCP抗体著名な上昇がありました。
関節リウマチも腱鞘炎が初発症状のこともありエコー所見で
推測できるかもしれません。
ちなみに正常のA1腱鞘は以下の画像です。
腱周囲の水腫やドプラーサインは陰性です。
診断基準によればやはり関節の炎症を確認することで
点数をつけますがこのように関節には炎症はなく、腱鞘炎
正確には腱鞘滑膜炎が初発症状の方もいるのではないでしょうか。
腱鞘炎もエコーで一度は観察する価値がありそうですね。
以上は個人的見解であることを申し添えます。