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院長のブログ(2019年03月)

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超音波診断装置は普及しかなり一般的になりました。

当院においてもアナログの旧式エコーからデジタルハイビジョン

AVIUSに変更したときは目が点になるほど解像度が上がり

ドップラーの優れた機能に驚かされたものです。

5~6年前は名機とし人気を博していたようです。

こんな感じで使いやすいサイズです。

昨年日立アロカから発売されたarietta 850は

全域フォーカスをうたい文句に数々の血流信号、エラストグラフィー

などもarietta60からかなり進歩しました。

こんな感じでやや大きいです。思い切って導入してみました。

全域フォーカスの触れ込みを少し画像で確認してみます。

プローブはほぼ同じもの18MHzのリニア探触子です。

先端部分は同じです。

前腕近位長掌筋筋腹レベルです。

aviusの画像

表層はよく見えますが2cm前後からかなりぼやけています。

arietta850の画像

正中神経のやや深部までよく見えます。

プローブが同じでも結構違いますね。

eFocusingというそうです。

もう一つ血流信号が従来のカラードプラー、パワードプラー、

e flowの他に4つ目のDFIというものがありました。

これを少し炎症を起こした上腕二頭筋腱に当てますと

まず通常のパワードプラー

次にDFI

横靭帯から腱、滑膜の血流信号がありました。

リウマチなどの滑膜炎の状態もおそらく細かく

把握できるでしょう。

少しでもきれいに見たいという人にはお勧めかもしれません。

私にできる可能な範囲で正確な病変部の描出を目指したいです。

今後ともよろしくお願いします。

 

足がしびれるという症状はとても多いです。

脊柱管狭窄症などの腰椎由来のしびれもありますが

本日は足首、足底に原因があるしびれの紹介です。

足根管症候群として有名です。

亀田総合病院によるご説明では

1.お風呂に入るとジンジンする。

2.夜寝る時しびれがつらい。

3.砂利の上を歩いてるようだ。

このような症状が特徴です。そして「多くは」踵は

しびれない。とされています。

上の図で屈筋支帯による脛骨神経の圧迫では踵の神経

は障害されることは少ないようです。

ところが踵もしびれるあるいは踵だけがしびれる方も

いらっしゃいます。そして痛みがこのあたりにあります。

少し足底腱膜炎と似てますね。

ここでは神経が足の筋肉(拇趾外転筋と足底方形筋)の間を

走っています。

これらの筋肉が腫れたり固くなったりしますと、

バクスター神経では踵そして内側足底神経、外側足底神経

が障害されればそれぞれの支配部位がしびれます。

この部位をエコーで見てみます。

筋肉の間に神経血管が見えます。

ここより少しだけ末梢に原因があることが多いです。

筋肉の間をリリースしますとかなり改善する方も見えます。

足根管症候群は手術的治療も考えられますがバクスター神経

障害のように主に拇趾外転筋などのMPS(ファシア異常)

によるしびれはエコーガイド下治療が威力を発揮することも

ありますのでお困りの方はぜひご相談ください。

注射で強い痛みをとった後は適切な運動療法、インソールの

装着が必要となります。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

 

腹痛にはいろいろな病気があることはよく知られています。

消化管、腹腔臓器、血管などの原因がわからない非特異的な

腹痛(非特異的腰痛と表現が似ています)のうち30%が腹壁由来

そしてそのうちの20%が今回紹介する腹壁神経障害とされています。

肋間神経の枝が原因と言われています。

前皮神経障害(ACNES)として知られています。

痛みはこのあたりに多いとされています。

内腹斜筋と腹横筋の間を走る神経が腹直筋を貫いています。

症状としては局所に強い圧痛があり腹筋に力を入れると

痛みが増強します。(カーネット兆候)

圧痛部位をエコーで見ても実は原因は写りません。

神経は細いので画像ではわからないのです。

 

しかし腹直筋の深層は腹膜が近く容易に注射できません。

そこでいつものようにエコーガイド下に腹直筋筋膜下に局所麻酔剤を

注射します。

腹直筋鞘への数回の局所麻酔ブロックにて改善しない場合は手術も

選択肢の一つとなります。

今回は幸いブロックにてかなり改善が見られました。

腹腔臓器由来の疼痛、場合により心筋虚血や大動脈病変もしっかり

除外した後上記の所見が認められればエコー下に安全に施行できる

腹直筋ブロックを考えてはいかがでしょうか?

腹直筋鞘ブロック後のエコー画像です

腹直筋周囲をきれいにリリースすることが大事なようです。

最後までお読みいただきありがとうございました。