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2017年12月13日(水)
2017年12月13日(水)
2017年12月03日(日)

交通事故などを発端にむち打ち症ともいわれる頸部~肩などへの疼痛をもたらす

外傷も日常的に多く見られます。その中には頭痛や手のしびれを訴えられる方も

みえます。しびれや麻痺があれば頭部、頚椎そして斜角筋など腕神経の異常があるか

まず検査、身体所見の把握が重要となります。

ただ中には末梢神経麻痺特有の症状の方もたまにいらっしゃいます。

念のため対象の末梢神経をエコーで描出することも重要です。

慣れれば手首から腋窩まで1~2分で観察できます。しかし多くは異常を認めません。

しかし意外なものが発見できることもたまにあります。

実際のケースです。

外傷にて上腕部を打ってから中指がしびれるそして握力がやや低下しているという症状です。

頸部には特に異状なく、麻痺は正中神経領域のようです。

早速正中神経を末梢から観察してみました。

肘のやや上

神経鞘腫1

もう少し上に

神経鞘腫2

もう少し上に行くと

神経鞘腫3

外傷ですから血腫かもしれないと思いますが

確認のため長軸で観察します

神経鞘腫4

血腫ではなさそうです。

神経鞘腫の可能性が高いでしょう。

このように偶然に発見できることもありしびれが末梢神経障害が推定される場合

エコーの重要性が際立ちます。何せ1~2分でわかりますから。

さあっと見ますとこんな感じに見えるのです。

正中神経(黄色に拍動するのは上腕動脈)がある部位で急に膨らむのが

わかります。

エコーでは意外な発見がとても多く、やりがいのある分野ですね。

 

ありそうでないこと、なさそうでもあることが実際あります。

いわゆる肉離れ。よくあるパターンは突然ダッシュしたりジャンプした

運動選手や、たまたま日曜日に久しぶりにソフトボールをしたお父さん

こんな人たちによく起こります。腓腹筋のテニスレッグやハムストリングが

多いです。しかし夜間こむら返りが起こっただけでも肉離れは起こります。

多くは肉離れが起こっていても軽症のためパッパとエコーでわからないだけかもしれません。

そして見逃されたりもしているのでは? しかしエラストグラフィーを使ってみますと

見えてくることがあります。筋間の筋膜周辺を丁寧に観察すると異常が検出されることもあります。

さて実際の患者さんです。

こむら返りの後半日。痛みが引きません。痛みは通常の肉離れと違って腓腹筋外側頭に

ありました。

エコーで見ますと

肉離れ こむら1

肉離れ こむら2

エラストにて赤く染まる異常にはヒラメ筋にも腓腹筋側にもあります。

そして出血も明らかでした。

通常腓腹筋/ヒラメ筋筋間の肉離れは一方の筋肉だけが障害されます。

このように両方の筋肉が障害されることは少ないと思います。

幸い広範囲ではないので比較的早く治りそうでした。

世の中色々なことがあります注意深い診察が大事ですね。