ヘルニアと言えば腰椎椎間板ヘルニアが有名ですが頚椎にもあります
日本脊髄外科学会の説明では頚椎椎間板ヘルニアは2つのタイプがあります。
一つは一側の肩や手の特定の領域に激しい痛みや放散痛が生じるタイプで
しびれを伴うことも多いです。痛みは2~3週間でピークを越えると数週間から
数か月で徐々に改善します。
もう一つはしびれの他両手両足の運動障害が現れ場合によっては膀胱直腸障害も
ありえます。この場合は手術的治療も必要となるのです。
ただ多くは前者であり時間とともに良くなるのですが半端ない痛みは多くの患者さんは
耐えられません。
そのため多くの患者さんが疼痛改善のため治療を求めるのは当然です。
古典的には安静、投薬理学療法などですが実はどれもパッとしません。速攻的な解決策は
神経根ブロックという注射です。
神経根ブロックというととても痛そうなイメージですね。
当院ではかなり細い針を使い目的神経に直接針を刺さず神経周囲に薬液を入れ周囲組織を
リリースします。ところが神経に直接刺さないのに劇的効果が数分以内に現れることが
しばしばあり驚きです。
そして注射針です
黒っぽく見える丸いのが第6頚神経です。神経には針はあてていません。
このケースはちょっと距離があるかなとも思いましたが、2~3分で劇的効果を
認めました。
エコーの普及した現在多くの施設でエコーガイド下頚神経ブロックが行われています。
神経を直接刺さないこの方法でもかなり改善する方もいらっしゃいます。
エコーにより事前に血管の確認ができ刺入時も針をしっかり確認することにより
低リスク、そして痛みの少ない注射も可能になってきました。
安静、カラー固定、鎮痛剤、プレガバリンなどの神経障害性疼痛の薬の服薬が
多くの施設で行われています。しかし激しい痛みのため睡眠障害で苦しむ患者さんも
いらっしゃいます。
当院ではそれぞれの患者さんの事情、ご希望に沿うように適切なアドバイスを
させていただいています。痛みでお困りの方はお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。